ステーション数・車両数ともに堅調に伸長!
各社のサービス拠点拡大がさらなる利用者増につながる兆し。
カーシェアの情報比較サイト「カーシェアリング比較360°」(http://www.carsharing360.com)が、カーシェアリング市場を独自に集計したデータ(主要9社)によると、2012年第一四半期(1月~3月)のステーション数は前年より9.3%増加、ステーション車両台数は14.5%増加していることがわかった。
昨年の大幅伸長(対前年ステーション数:約1.5倍、同車両台数:約1.7倍)に比べると若干伸び率は鈍化したものの、まだまだ順調に拡大がつづいている。
特に当該期間においては、「レオガリバー」の事業撤退によるステーション数・車両台数の減少も加味したものであり、事業継続の対象企業8社合計でみた場合は、実質的にステーション数で13.3%の増加、車両台数で17.7%増といぜんとして堅調である。
カーシェアリング会員20万人突破が確実な2012年は、真の意味で「カーシェアリング普及元年」になるともいわれており、各社のサービス拠点拡大がさらなる利用者増の大きな追い風になりそうだ。
主要9社のステーション数、車両台数の推移は以下の通り。
1) サービス提供会社別 ステーション数推移(主要9社 2012.1~2012.3)
業界第1位「タイムズプラス」と第2位「オリックスカーシェア」が、二桁台の伸び率で変わらず業界を牽引している。
第3位の「カレコ」は、28箇所のステーションを増設したものの17箇所が閉鎖されたことから、計11箇所の増加(伸び率:2.8%)に留まった。
カーシェアリングは、利用者の近隣500メートル圏内にカーステーションが有るか否かがサービス会社選定の最初の選択眼になともいわれていることからも、第2四半期以降の上位3社のステーション開設状況がカーシェアリング利用者の拡大と、各社の市場におけるシェア争いの大きな鍵になりそう。
4位以降のBグループでは、中古車買い取りのガリバーと賃貸住宅のレオパレス21が運営していた「レオガリバーカーシェアリング」が2月にサービスを終了。
今後も収益性をはじめとした課題から、事業撤退を余儀なくされるサービス会社もありそうだが、大手3社とは異なるサービス形態や本業とのシナジーを目論んだ新規参入期待もまだまだあり得ると考える。
2) サービス提供会社別 車両台数推移(主要9社 2012.1~2012.3)
車両台数の推移については、ステーション数推移と同傾向。
「タイムズプラス」が、車両台数4,000台目前にまで到達し、第2位の「オリックスカーシェア」との差がさらに開いた。このまま第二四半期以降も、「タイムズプラス」の猛攻が続くのか、「オリックスカーシェア」が追い上げていくのか注目したい。
Bグループでは、「エコロカ」が、1ステーションあたりの増車を図っている模様であり、ステーション数は18.2%増だったものの、車両台数では43.8%増と100台間近となっている。
東海エリアのみで境域展開をしている名鉄協商「カリテコ」が、車両台数100台に到達。当該エリアではステーション密度、認知度も高く、今後はこういった地場のサービス提供会社の参入も充分に考えられる。
3) 都道府県別 ステーション数推移(主要9社 2012.1~2012.3)
都道府県別のステーション数は、首都圏、京阪神地区でのステーション開設ラッシュが変わらず続いており都市部偏重がさらに顕著になってきている。
未だステーションのない都道府県は、22県存在している。
但し、3月に「アースカー」が熊本県に初のステーションを2箇所開設や、「カレコ」が宮城県石巻市に3箇所目のステーション開設など、地方都市のカーシェア空白エリアや東北被災地への展開など動きもわずかながらあり、筆者としては都市部に限らず、東北被災地等の生活をつなぐ新しいインフラとして、カーシェアリングが有効活用されていくことも期待したい。
今回の集計対象には含まれていないが、宮城県石巻市の「一般社団法人 日本カーシェアリング協会」は、現地のボランティア活動とともに3月末時点で約40台の車両が「被災地カーシェア」として運用されており、被災でマイカーを失った住民の新しい脚として活躍をしている。
4) 都道府県別 車両台数推移(主要9社 2012.1~2012.3)
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※このデータは、「カーシェアリング比較360°」(株式会社ジェイティップス運営)が独自に収集したデータをもとに構成されています。
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