カーシェアリング市場動向
2012年第二四半期：主要8社

業界第1位「タイムズプラス」と第2位「オリックスカーシェア」の伸び率は、一桁台に留まったものの変わらず業界を牽引しており、「タイムズプラス」は、ついに3,000ステーションを突破した。 第3位の「カレコ」は、43箇所を増設し、伸び率10.8％と大きく伸長した。
カーシェアリングは、利用者の近隣500メートル圏内にカーステーションが有るか否かがサービス会社選定の最初の要素になるともいわれていることから、第三四半期以降の上位3社のステーション開設状況がカーシェアリング利用者の拡大と、市場におけるシェア争いの大きな鍵になりそう。
4位以降のBグループでは、昭和シェル石油が東京都練馬区光が丘エリア、神奈川県横浜市港南区港南台エリア限定で運営していた「まちのりくん」が6月末にサービスを終了。
7月末には、「ガリバーシェアメイト」のサービス終了が確定しており、市場影響力のある既存サービス会社はほぼ7社程度に絞り込まれてきた。

車両台数の推移については、ステーション数推移と同傾向。
「タイムズプラス」が、車両台数4,000台を突破し、第2位の「オリックスカーシェア」も7.8％伸長し、若干「タイムズプラス」との差をつめた。「オリックスカーシェア」は、4月から料金体系を大幅に改訂し新規入会促進強化を図っており、また特定のステーションにおいては、利用料半額キャンペーンなどを投入するなど利用頻度向上にも余念がない。
このTOP2社の動きが3位以降各社のマーケティング活動にも影響を与えていると思われ、第三四半期以降も、「タイムズプラス」と「オリックスカーシェア」の動向については注目していきたい。
Bグループでは、東海エリアのみで狭域展開をしている名鉄協商「カリテコ」が、引き続き積極増車を実施している。地場特化型のカーシェアリングは、他にも関西エリアの「イチネン・カーシェアリング」なども、エリア内のステーション密度、認知度が高く、独自の付加価値を提供することなどで、特定エリアでの成功モデルとなりそうだ。

都道府県別のステーション数は、首都圏、京阪神地区でのステーション開設偏重の傾向は変わらず、未だステーションのない都道府県は、21県存在している。
但し、「タイムズプラス」が岡山県・宮崎県に初のステーションを開設、「カレコ」が新潟に開設するなどの新しい動きもあり、空白県へのステーション設置を期待していきたい。
その他トピックスとしては、北海道、福岡県エリアで大きく伸長した。

今回の集計対象には含まれていないが、宮城県石巻市の「一般社団法人　日本カーシェアリング協会」は、現地のボランティア活動とともに6月末時点で計55台の車両を「被災地カーシェア」として運用している。エリアを気仙沼や一関などにも拡大し、被災地住民の脚としてますます活躍をしている。

都道府県別の車両台数の推移については、ステーション数推移と同傾向。
東京都内では、3,000台を突破し、全国計で6,662台となった。
次の第三四半期では、7,000台突破することが必至であり、車両数の増加に伴う利便性の向上が、さらなる「カーシェアリング」ユーザーの増加につながるものと考えられる。